
私が今住んでいるマンションは、入居当時カラスが結構多いところで、時にはマンション敷地内の木に巣を作って、住民の騒ぎになったりもしていました。
また、ごみの収集場所にたむろして子を持つ親を心配させたり、地上に輪を作って、1匹の猫を取り囲んで威嚇したり、石でもぶつけてやりたいと思ったこともありましたが、ある時面白い光景に出会いました。
海から吹く風が非常に強い日のこと。14階建てのマンションには8本の避雷針がありますが、その1本に10羽ほどのカラスが集まり、周りを飛んでいたのです。
何をしているのかと思って見ていると、なんと、あのとがった避雷針の先に止まろうとしていたのです。
そんなことできるのかと思いながらさらに見ていると、「風」も利用しているのが分かりました。風を羽に受けながら避雷針の先に足をかけて「止まろう」としていたのです。
しかしなかなかうまくいきません。ついに風に飛ばされてそこを離れると、すかさず別のカラスが挑戦します。どれかが成功するのを期待してしばらく見ていましたが、「針の先への滞在時間は数秒」というところでした。
これは風を利用した遊びなのか、はたまた「勝負」だったのか、いずれにしてもカラスにもチャレンジ精神があることを垣間見た時間でした。
今ではカラスもほとんどいなくなりましたが、どこかでまた「挑戦の光景」が見られたらと思っています。