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「絶対に勝たねば」と思った勝負

営業マネージャが「絶対に勝たねば」と思った勝負があった

「えっ、1人10万円くれるの?!」彼は驚き、喜び、そして真剣な表情になりました。

「彼」は中堅商社の営業所長、今本社から届いた通達を読んだ時の反応です。

通達は「営業部署同士の一騎打ち勝負」に関するもの。同程度の売上規模の「課」や営業所同士の組み合わせで、1対1の「半期利益目標達成率」競争を行うというものでした。

そしてすごいのはそのご褒美。なんと「勝者の部署の全員、パート・派遣社員を含む全員に、1人10万円の特別ボーナスを出す」というものでした。

これにはチームマネージャも真剣にならざるを得ませんね。なんせ、チームのみんなが10万円を手にできるかどうかは、自分のリードにかかっているのですから。

そして当時企画部門にいた私には、彼らの間に「絶対勝たねば」と思う故の、「自部署と競争相手の現状を比較して作戦を立てる」という機運が非常に高まっているのを感じました。

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特別ボーナスをだれが手にできたかはさておいて、実はこれ、企業再建の仕上げの過程として、当時銀行から派遣されていた新経営陣が打ち出した施策だったのです。

卸売業主体の商社に派遣された彼らが、営業面で最初に取り組んだのは「守りの戦略」と「反転攻勢の準備」。

「守りの戦略」は、既存卸先と仕入先に対する、徹底した情報交換・連絡のしくみ作りと信頼関係の醸成が中心で、目的は「現状のシェアを守ること」でした。

また、「反転攻勢の準備」は、新規商材の代理権獲得と社内サポート体制の整備が、大手商社の支援を受けて進められ、さらには数千万円をかけての、営業社員の商品知識教育が実施されたのです。

ここまでは、30年ほど前に私が実際に経験したことをもとに書いていますが、今ではあの時にとられた戦略の意味を、自分なりに理解できるようになりました。

そして、「守り」から「攻め」への転換の、「きっかけ作り」が冒頭に述べた「一騎打ち勝負」であったのではないかと思っています。

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