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コトラーでチームの強み弱みを判定

3C分析に限らず、戦略の検討には「強み・弱みの分析」と「差別化」という言葉が頻繁に出てきます。
このときにライバルとの間の強弱の比較や、拡販策を検討するときの要素としてどんなものがあげられるでしょうか。
ここではその参考となる提言として「コトラーの法則(注)」を勧めていますので、次にそれを紹介します。
 

「コトラーの法則」を応用した強み・弱みの分析

 
米国マーケティング研究の第一人者と言われるフィリップ コトラー博士(1931年~)は、
 
顧客の購入の意思決定に対しては、「+プラス」に働く要因「総顧客価値」と、
「-マイナス」に働く要因「総顧客コスト」がある
 
として、その要因を次のように分類しました。

総顧客価値(価値が高いほど意思決定にプラスに働く)
 製品価値             性能、信頼性、デザイン、希少価値
 サービス価値        当社のサポート・サービスへの信頼
 従業員価値           当社営業に対する信頼・好意
 イメージ価値        ブランド全体への信頼・好意
 
総顧客コスト(コストが大きいほど意思決定にマイナスに働く)
 金銭的コスト         価格に対して評価できるか(安いほどコストは小)
 時間的コスト         納期、再販しやすさ(時間がかかる取引はコスト大)
 エネルギーコスト   購入手続き・商品理解は易しいか(「面倒」はコスト大)
 心理的コスト         当社との取引への不安(安心感はコストを下げる)

そして顧客は次式で表わす「純顧客価値」が高いものを選ぶ、と結論付けたのです。

純顧客価値 = 総顧客価値 - 総顧客コスト

これは正に「顧客目線で見た強み・弱みの分析項目」と言えるでしょう。

そしてこの中には、顧客の購入意思決定に必要な要素がほぼ網羅されていると考えられます。

さて、これらの項目をよく見ると、次のことが分かります。

「総顧客価値」は、当社の取扱製品を含めて「顧客の当社に対する信頼・好意につながる項目」になっています。

そして「総顧客コスト」は、「顧客が当社から製品を購入するにあたっての、顧客側の心配事や心理的な負担に通じる項目」と言えるでしょう。

具体例

このように考えると、「純顧客価値」の意味がよく分かります。 さらに具体的なケースを、小売店の仕入れ、製造業の部品・材料の調達の例でみてみましょう。それぞれの購買意思決定に対しては、次の要因がよく挙げられます。

小売店 製造業
a 売れる 製造品の性能・信頼性が上がる
b 儲かる 製造コストが下がる
c   売りやすい   製造が楽になる

このうちの「a」は製品価値、「b」は金銭的コストの評価が大きなウエイトを占めるはずです。
そして「c」は、残りの項目の総合的な評価となるでしょう。

以上のことから、自社の強み・弱み分析をこの法則に沿って行うことにより、漏れのない分析と、自社のセールスポイントの整理が可能になると考えられます。

そこで、以後の強み・弱み分析には、この法則を引用していくことにします。

(注)「コトラーの法則」は、彼の数多くの提言がある中で、説明の都合上私が仮に付けた名前です。

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