5フォース分析の全体像

上の図が5フォース分析の全体像で、簡単に説明すると以下のようになります。
図の中央には「業界」が示されていますが、ここには自社と競合他社が含まれます。
5フォース分析は業界そのものを対象とする分析手法なので、外部からは「自社と競合他社」の区別はしません。
しかし業界内の競合(上の図の「競合の力関係」)については、自社と他社を含む、企業同士の競争の状況が分析対象になります。
「5フォース」は、業界の外から業界に影響を及ぼす4つの力と、業界の内部で発生する1つの力に分かれます。そして赤の矢印は、それらの力が影響を及ぼす方向を指しています。
業界外部からの4つのフォースは、それぞれ業界に向かって影響を及ぼします。
一方、業界内部で発生するフォースは、業界内の競合の結果生じるもので、その影響は結局自分たちに跳ね返ってくることを意味しています。
そして詳しくは後述しますが、これらの「影響」は、多くの場合「圧力」、または「脅威」となって現れてきます。
フォースとは
さて、今まで盛んに出てきた言葉で、図の中にもある5つの力「フォース」、この中身は一体何でしょうか。
実はこの「中身」についても、マイケル ポーターは提案しています。
それが図の中に、各フォースと共に示されている「分析要素リスト」です。
その例として、「競合の力関係」に関するリストを次に示します。
このリストには「経済学」の難しい言葉が使われていますが、後の分析の手順のところで分かりやすく説明します。(ネット上にはこれらの言葉が溢れているので、参考までにご紹介)
「競合の力関係」の分析要素リスト
- 競争企業の数
- 業界の成長力
- 一時的な業界の過剰生産力
- 撤退障壁
- 競争企業の多様性
- 情報の複雑性および非対称性
- ブランド・エクイティ
- 付加価値当たりの固定費用
- 広報費用
そして、分析者が「競合の力関係」を分析するときには、この表にある項目を参考にしながら、
業界内の競合状況を調べていけばよいと、マイケル ポーターは言っているのです。
一つの判断例を挙げると、「競争企業の数が多ければ、その分競争が激しい」ことが予想され、それは「業界に属する各社にとって、収益を圧迫する脅威になる」ということになります。
このように、フォースごとに分析要素リストが準備されており、それに沿って分析を進めていけば、「5つのフォースが、業界の競争と収益に与えるであろう影響が浮かび上がってくる」という仕組みになっているのです。
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