5フォース分析は、ハーバード大学教授マイケル.E.ポーター(マイケル ポーター)が1979年に発表した「競争の戦略」の中で紹介した分析手法で、分析対象の業界における、競争の構造と収益構造を分析しようとするものです。
企業が収益を上げるためには、自社が属している業界内の競争に勝っていかなければなりません。
また、その業界に参入しようと考える企業も、中で起きている競争の局面を理解した上で作戦を立てないと、参入は成功しないでしょう。
そこでマイケル ポーター教授は、この競争状況を分析して戦略を立てるために、5つの競争要因を元に分析する手法「5フォース分析(ファイブ フォース、5つの力)」を提唱したのです。
「業界」とは、「互いに代替可能な製品・サービスを供給している企業の集団」のことをいいます。
- 5フォースは、次の競争要因で構成されます。
- 競合の力関係
- 買い手の交渉力
- 売り手の交渉力
- 新規参入の脅威
- 代替品の脅威
さて、この手法の発表当時は、業界ごとの「境界」が比較的はっきりしている時代でした。
しかし現在の市場では、「商品・サービスの多様化」や「異業種参入」などで、その境界もあいまいさを増してきており、それに加えて、顧客の購買行動も多様化しています。
例えば、買い物はネットを通して行うことが普通になり、また「現代の若者は、書籍はスマホで、ニュースは新聞ではなくユーチューブで見るのが主流となり、出版や新聞業界を圧迫している」、との報道もありました。
これには、近年のITと物流の進歩が大きく寄与しているのです。
したがってここでは、昨今の市場環境の変化も考慮しながら、5フォース分析の考え方を分かりやすく述べていきたいと思います。