大分前、ヨーロッパでのお話。
ある町で商店が燃える火災がありました。
消防車が駆け付けた時には、火災現場に至る道には大勢の野次馬が。消防士が「道を開けるように」呼びかけても、消防車はなかなか進めません。
その時、1人の消防士が叫んだのがこの言葉、「ストッキングに気をつけな!」
女性のストッキングの敵は「伝線」という時代のこと。女性は一斉に消防車を避け、男性もつられて道を開けたという。
営業の世界ではよく、「商品の特長を説明するのではなく、お客にとってどんな価値があるのかというベネフィットを伝えよ」と言われますが、この消防士の例は、その「逆の応用」とも言えるでしょう。それにしてもその効果は絶大でした。
一つの商品を例にとっても、その特長はいくつもあり、したがってそれぞれの「特長」が顧客にもたらすベネフィットも一つではありません。目の前のお客に対して、その時どのベネフィットを伝えるかが営業の「腕」となります。
便利さや使い易さを伝えるのか、安全性を強調するのか、気持ちの良い使用感なのか、お客との会話の中でくみ取っていきましょう。
なお、その商品を企画・開発した人から、「商品を世に出す上でどこに最も力を入れたのか」を聞き出すチャンスがあれば、それは最大のベネフィットに通じるヒントになるはずです。
コメント